 |
大屯火山群を主体とする陽明山国家公園は、ひとつの火山地帯を形成している。地質構造は安山岩を主とする。外形が特殊な錐状あるいは鐘状の火山、火山口、火口湖が展開し本公園独特の地質地形景観を呈している。
噴気孔と温泉は主に、北投から金山にかけての「金山断層」周辺に集中している。 地表の水が地底に染み込み、地下の熱源に加熱されたあと、再び地殼の隙間から地面に吹き出して、火山活動の特殊景観を生み出す。大油坑、小油坑、馬槽、大●嘴などでは、強烈に噴気が発生し、園区の各所に温泉が湧いている。
上述の火山・地熱による景観のほか、美しい滝と放射状に流れる溪流が陽明山国家公園の魅力的な景観を支えている。 |
| |
| |
 |
| 園内の維管束植物の種類は1200余種に達し、植物の社会全体として、火山地質および東北の季節風の影響が濃い。冬季の低温高湿度の特質が反映され、もともと海抜2000mの中海拔地帯の植物、例えばタイワンキョウチクトウ、ヤマグルマなどが、この地域に分布している。園内の植物は、大きく水生、草原および森林という三つに分類される。水生植物は火口沼沢地、貯水池に主に分布し、カンガレイ、ハリイ、クワイ、トウシンソウなどがよくみられる。なかでも、タイワンミズニラは台湾特有の種で、この地域にのみ生育している。標高600m以上の地域では、主に矢竹およびススキが草原の景観を形成している。森林地帯では、クスノキ科の樹林が優勢で、アカクスノキ、オオバクスノキ、サカキ、ヤマグルマ、「墨点桜桃」(Prunus phaeosticta)などがよくみられる。季節の変化とともに、植物の様子は華麗に変化していく。 |
| |
| |
 |
陽明山国家公園は地形や植生が多彩で、エサも豊富なために、多くの種類の動物が棲息し繁殖している。
いままでに園内において少なくとも、哺乳動物20種、鳥類110種、両棲類21種、爬虫類48種、蝶類160種以上が発見されている。
中型の哺乳動物としては、アカハラリス、タイワンウサギ、イタチおよびタイワンザルが優勢で、センザンコウとジャコウネコなどが稀に見られる。タイワンザルと「台湾小葉鼻蝠」(コウモリ)は台湾特有種である。鳥類としては、低海拔ではダルマエナガ、チメドリ、テッケイ、ゴシキドリが優勢で、台湾特有種のヤマムスメもみかける。毎年十月および三月頃は、渡り鳥が休息する関係で鳥種がもっとも豊富になり、アカハラがよくみられる。夏の渡り鳥であるツバメ、アマサギとツツドリは、毎年4月から9月にかけて冷水坑、小油坑でみられる。なかでもツツドリはもっとも広く分布している。
両棲類のなかでは、タイワントビアオガエル、サワガエル、ナガアシアカガエル、「盤古蟾蜍」(大型のカエル・Bufo bankorensis)などが優勢である。爬虫類では、キノボリトカゲ、インドトカゲ、アオスジトカゲ、タイワンアオハブ、キスジヒバァ、アカマダラおよびアオヘビなどがよくみられる。
陽明山では5月から8月にかけて、美しい蝶の群れが出現する。とくに大屯山山頂では、激しい気流を受けて無数の蝶が群舞する。マダラ蝶類のほか、アゲハ蝶類もこの一帯に多数出現する。なかでもナガサキアゲハ、オオベニモンアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハがよくみられる。夏にはセミ、秋の夜には虫たちの鳴き声が陽明山国家公園を包む。 |
| |