天渓園は陽明山国家公園の東南側にあり、特殊な気候条件下で育まれてきた東北季節風林が本区の重要な特色となっています。区域内は渓流が多く、植物が生い茂っており、渓流による分割作用で多くの独自で系統化された小流域生態系が形成されており、たくさんの生物が生息する環境が作られています。また、この区域は嵌脚断層帯に近く、付近の地層は上下にずれ動いているため、五指山層、大寮層、石底層等の地質岩層を含む風貌がそれぞれ異なり、生物多様性の研究、教育、訓練、生態の旅推進の重要なエリアとなっています。
専門家による資源調査と計画を経て、天渓園区域は資源が豊富で、区域が独立しており、また台北市内、双渓及び故宮博物院~近く、交通が便利なため、教育実験、解説訓練、生態の旅の潜在性があると認められ、民間団体や各学校での自然生態教育、研修、グループ活動を通して、一般大衆が自然生態に触れ、国家公園環境教育を行うための模範的な場所となっています。
天渓園の自然生態環境に最大の効果を発揮させるため、陽明山国家公園管理処は特別に亜熱帯生態学学会に委託して、天渓園を「生態教育センター」とする目標を掲げ、「天渓園生物多様性研修ワークショップ」活動を設計・計画しました。同時に、センターの紹介、今後の運営、生物多様性の意味、活動内容、操作過程等をハンドブックにまとめました。それが生態保全解説ボランティア及び生態保全推進関連スタッフの重要な参考資料となることを期待すると共に、「天渓園生態教育センター」が台湾の生物多様性保全推進に最適な場所となるように願っています。