タイワンリス
本園区は地形が険しく、人為活動が頻繁なため、大型哺乳動物の活動には比較的不利ですが、複雑な林相が多くの中・小型野生動物に理想的な活動、捕食、棲息場所を提供しています。生態保護区内ではタイワンザル、タイワンイノシシ、台湾野ウサギ、タイワンリス、ハクビシン、タカサゴモグラ、ハリネズミ、オニネズミ等の哺乳動物の活動が頻繁で、活動範囲は鹿角坑渓、磺嘴山一帯の天然広葉樹林と草原を主としており、そのうちタイワンリスが最もよく見られ、ほぼ地区全体にその足跡を残しています。
本園区内の鳥類の種類と数量は非常に豊富で、約123種棲息しており、交通が便利なため、北部地区の重要なバードウォッチング地点の一つとなっています。特に大屯山地区の二子坪から新北投一帯は林木が密に茂っており、鳥類の数が非常に多く、本処ではこのルートをすでに蝶の回廊およびバードウォッチング歩道として設定し、ここで鳥類や蝶の観察ができるようにしています。鳥類の分布層を見てみると、樹林の中でよく見られる山鳥にはコジュケイ、リュウキュウメジロ、クロヒヨドリ、ズアカチメドリ、メジロチメドリ等が含まれます。草原の茂みではコシジロキンバラ、アオハウチワドリ、ダルマエナガがよく見られます。春と秋には、アカハラ、アオジ等の冬鳥が見られます。水域でよく見られる鳥類には、則有コサギ、シロハラクイナ、アマサギ、ルリチョウ、キセキレイ、カワビタキ等が含まれます。このほか、区内で最も代表的な鳥としてゴシキドリ、ヤマムスメ等の羽色が鮮やかな野鳥もいます。鳥類の様子をじっくりと観察するため、登山バードウォッチングには望遠鏡が必備です。鳥類の鳴き声にはそれぞれ特色があるため、声を聞いて鳥を識別し、位置を特定する練習をしっかりしてください。
バードウォッチングのほか、陽明山地区は台湾北部の蝶類が多く棲息する地区で、種類は180種に達し、面天山、大屯山一帯が最多となっています。101甲県道沿線と二子坪から清天宮までのルートでは年間を通して蝶の姿を見ることができ、毎年5月から8月は本地区で最も多くの蝶が見られる季節です。主な蝶種はアゲハチョウ科のナガサキアゲハ、カラスアゲハ、シロモンアゲハ、クロアゲハ等、マダラチョウ科のアサギマダラ、タイワンアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、マルバネルリマダラ等、タテハチョウ科のツマグロヒョウモン、イシガケチョウ、タイワンミスジ類等が含まれ、最もよく見られます。特殊性と言えばタイワンジャコウアゲハです。外観が美しいだけでなく、台湾固有種でもあります。かつて園区内に大量に出現していたオオベニモンアゲハは、その幼虫の食草であるウマノスズクサの数が減少し、環境が変化したため、数がずっと減っています。
ヤマムスメ
冬を除き、林間歩道に沿って歩くと、動物の世界の広さと溢れる生命に驚きを感じずにはいられません。空を飛ぶもの、地面を這うもの、水中を泳ぐものなど、目をしっかりと開いて観察しなければ、その奥深さを知ることはできません。たとえば、カブトムシやクワガタムシ、タマムシ、コメツキムシ、台湾北部特有のタイワンツノコガネ、そしてあちこちに見られるカマキリ、キリギリス、コオロギ、イナゴ、ナナフシ等の昆虫たちもいます。夏になると、森林の中で絶えることなく聞こえる虫の声は、まさに最高の自然の声です。本園区には20余種のセミが生息しており、たとえば一番に登場するクサゼミ、ハゴロモゼミ、ニイニイゼミと、7~8月に活躍するソウザンヒグラシ、タイワンヒグラシ、クマゼミ等が種類の違いに応じてさまざまな鳴き声を聴かせてくれます。秋はキリギリスやコオロギの繁殖の季節で、彼らが織り成す鳴き声が静寂の大地ににぎやかさを添えます。
本園区内の爬虫類は53種に上り、そのうちザウテルヘビ、セアカククリィヘビ、ソウカダ、キスジヒバアの数が比較的多く、毒蛇類はタイワンアオハブ、タイワンハブ、コブラが比較的よく見られます。蛇が多いため、ビジターの入山時は特に安全に注意が必要です。トカゲ類では、キノボリトカゲと、茂みによく出没するインドトカゲ、アオスジトカゲが最もよく見られます。両生類では、アオガエル、アカガエル、アオガエル、ヒメアマガエル等、計22種が生息しており、夏の夜や雨の日に、歩道や沢、草むらの中などでその姿を見ることができます。中でもサワガエル、ナガアシアカガエル、タイワントビアオガエル、バンコロヒキガエルが広く分布しており、数も多くなっています。
淡水魚類は、かつて本園区内で計22種が記録され。このほか、蝶類以外にも、千種に上る昆虫と200余種の蜘蛛、蝦、蟹、ムカデ、ミミズ等の無脊椎動物が本園区内に棲息していることが分かっており、生き生きとした動物の世界が形成されています。