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  • 日付:2011-11-07
M大屯火山群

大屯火山群

大屯火山群の地質資源は、13ヶ所の温泉、あちこちに分布する大小の噴気孔、および噴気孔周辺の黄色い硫黄の結晶、気勢がみなぎり、蒸気を上げる地熱のほか、火口湖と断層も火山地区内の最も典型的な景観の特徴です。
火山の形状から見ると、形状の違いに基づき、いわゆる円錐状火山と鐘状火山に分けることができます。円錐状火山は火山の噴火によって噴出した溶岩流と火山火砕流が火口周囲に交互に堆積して形成され、中でも七星山が最も代表的です。七星山は標高が1,120mで、陽明山国家公園で最も高い山であり、園区内の多くの火山の中で、噴火時期が最も遅いですが、その火山円錐形が最も完全です。

通常、大きな火山が形成されるとき、溶岩が山腰から流出し、付近に別の小さな火山を形成しますが、このような現象は側火山と呼ばれます。火山の溶岩には、大量の二酸化珪素成分が含まれるため、粘性が大きく、流動性が小さいことから、高さが高くなく、鐘状に似た円形の小さな丘が形成され、これが鐘状火山と呼ばれます。面天山は大屯山の側火山であり、紗帽山は七星山の側火山です。本地区のさまざまな火山活動は、30万年前の紗帽山の形成後に停止しており、残されたものが今日見られる各種後火山活動の遺跡です。

一般に、火山活動中にマグマが噴出した場所を火口といい、多くが内壁の険しく切り立った窪地を特徴とし、面天山、磺嘴山、小観音山上の火口がその例です。いわゆる爆裂火口は火口と異なり、高温の火山ガスが地表に噴出したときに形成された凹地を指し、早期の冷水坑付近の地形は正に完全な爆裂火口を表していました。噴気孔の活動が最も強烈な大油坑、小油坑、馬槽、庚子坪等の場所は火山の熱液、噴気の腐食によって岩層がもろいため、地震や大雨が起こると崩落が発生する、典型的な崩落地形です。

七星山火口

七星山火口

凹陥した火口は雨水が溜まって湖となることがよくあり、これらを「火口湖」と呼びます。向天池はその一例です。また、元々谷の中にあった渓流が火山から噴出した溶岩によって塞がれ、水が溜まって湖となったものは「堰止湖」と呼ばれ、七星山と大屯山の間にある竹子湖はこのような状況で形成されました。現地の湖水が枯渇した後、今日では開墾されて野菜や花の栽培地区となっています。
本地区の渓流は放射状に四方に流れており、渓流の流れる距離は短く、傾斜が険しく、水流が急で、峡谷と滝が特に多くなっています。園区内の有名な滝には、大屯瀑布、楓林瀑布、絹絲瀑布、聖人瀑布があります。主な渓流には、七星山北麓を源とする北磺渓、七星山南麓を源とする南磺渓、そして南方向の双渓および東に流れる瑪錬渓等があります。渓流の水量は季節によって降雨量の影響を受け、顕著な違いが見られます。

温泉の形成には3つの要素があります。まず、地下に熱水の存在が必要です。次に、静水圧で熱水を上に湧き上がらせる必要があります。第三に、岩石中に熱水が地面に到達するための管路となる深くて長い割れ目が存在する必要があります。

陽明山国家公園内では、温泉および噴気孔の分布と金山断層の走っている方向に密接な関係があります。地殼内部の力が岩層上に加わって、岩層が破裂した後、破裂面に沿って両側に滑り動き、地表の水が地底深くまで浸み込んで熱源により加熱された後、大部分の熱液は浸透性のよい岩層中に貯められますが、一部が断層の隙間に沿って地面から出てきます。これが温泉の由来です。熱水の温度が沸点を超過すると、地下で気化して水蒸気となり、地面から噴出して噴気孔が形成されます。以上はすべていわゆる後火山活動現象です。

沿著北投から金山までの間には長さ18km、幅約3kmの硫黄噴気孔が散らばる細長い地帯があります。この地帯は本地区の重要な温泉地熱分布地区であり、中でも大磺嘴、小油坑、馬槽、大油坑、死磺子坪、姨子坪等の場所の噴気孔は活動が最も激しく、陽明山地区で人々が最も楽しんでいる温泉資源がまさにこの帯状の地区に位置しています。

本地区の各温泉は含まれる化学成分の違いに基づき、大きく3種類に分けることができます:

  • 酸性硫酸塩温泉は白鉱泉(硫黄泉)とも呼ばれます。大磺嘴、竹子湖、死磺子坪、庚子坪の温泉はすべてこのタイプです。
  • 酸性硫酸塩塩化物温泉は青鉱泉(ラジウム泉)とも呼ばれます。馬槽、大油坑の温泉が代表的です。
  • 中性炭酸水素塩温泉は鉄鉱泉とも呼ばれます。温度はやや低く、多くが地下水を間接的に加熱しています。鼎筆橋、冷水坑の温泉などです。

自然の美しい景色の中で湯気に包まれ、滑らかな温泉に浸かることは、この上ない贅沢です。沿路遥々毎日訪れる人が少なくないことからも、この温泉の魅力がうかがえます。



火山の地質・地形
火山地熱奇景

火山地熱奇景

1.火山岩の種類および鉱物 整個大屯火山群全体の火山岩は完全に安山岩を主としており、安山岩の成分は斜長石と鉄苦土鉱物を主とし、鉄苦土鉱物のうち普通輝石、紫蘇輝石、角閃石が最もよく見られます。屋外での観察で採集した的標本を見ると、色がやや深く、結晶が大きい鉱物を肉眼で見ることができ、これらが鉄苦土鉱物です。その他の部分は肉眼で結晶を見ることは容易でなく、このような組織は斑状組織といい、安山岩の非常に大きな特徴です!普通輝石、紫蘇輝石、角閃石等の鉄苦土鉱物がよく見受けられるほか、カンラン石や黒雲母も時折見られます。異なる火山の噴火、異なる露出地点の溶岩流で、各種鉄苦土鉱物の含量が異なるため、鉄苦土鉱物の種類と含量に基づいて、安山岩は大きく6つの異なる岩類に細分されています。両輝石安山岩、角閃石含有両輝石安山岩、カンラン石含有角閃石両輝石安山岩、角閃石両輝石安山岩、紫蘇輝石角閃石安山岩、角閃石安山岩などです。

2.火山体 自然に見られる火山の形状は、噴火の形式と成分の違いによって3種類に分けることができます。盾状火山、円錐状火山、複式火山です。盾状火山は形状が低く扁平で、底部が非常に広く、緩やかに傾斜する斜面を持ち、地面の上に横に置いた盾のような形をしています。溶岩流は流動性が比較的良好な玄武岩質のマグマを主とするため、安山岩を主とする陽明山国家公園内ではこのタイプの火山は見られません。円錐状火山は比較的斜度がある円錐状の形状で、噴出された大量の火山砕屑岩渣物が堆積して成る火山の場合、噴石丘と呼ばれます。粘性が比較的高く、流動性がやや悪い中性または酸性の溶岩から形成された火山は、通常鐘状の円形を呈し、火口がなく、形状は逆さまにした碗のようで、陽明山国家公園内の紗帽山、大尖後山等がこの円錐状火山に属します。
複式火山は形状が円錐状で、上部の斜度が比較的険しく、下部はやや緩やかで、溶岩流と火山砕屑岩が交互に噴出して相互に層を成し、形成された火山で、成層火山とも呼ばれます。山頂部にはっきりとした火口があり、全世界の大部分の火山、特に島弧の火山はこの火山体に属します。陽明山国家公園内の火山はいずれも複式火山を主としており、七星山、小観音山、大屯山、竹子山、磺嘴山などがそうです。

3.火口 地底のマグマが地表に噴出して火山が形成されると、頂上にはよく凹陥状の盆地が形成され、これが火口と呼ばれます。火山の噴火が停止すると、火口に水が溜まって湖となり、これが火口湖と呼ばれるものです。長白山の天池がそうです。火口は形成のメカニズムに基づいて、爆発火口、陥没火口、コールドロンの3種類分けることができます。爆発火口は火山がその経路の上端を爆発で開き、凹陥した火口を形成します。陥没火口は火山噴火の後期に、マグマだまりが空になり、新しいマグマの補充が間に合わず、上部の岩層の重さを受けきれなくなって陥落が起こり、形成されます。コールドロンは大地構造と関係があり、火山の噴火前にマグマの上昇と同時に陥落が発生して形成され、その後マグマが陥落で形成された割れ目に沿って噴出されます。国家公園の主要な火山はどれも爆発火口がありますが、風化と侵食の作用によってほとんどがはっきり見えなくなっています。また、火山の噴火開始時には、まずコールドロンが形成され、その後マグマが陥落した周囲の割れ目に沿って地表に噴出して、今日の火山の配列が構成されています。



火山の物語

陽明山国家公園内の火山の噴火年代は2つの段階に分けることができ、第一段階は280万年前から250万年前まで持続しました。このときの噴火はあまり激しくなく、原始の大屯山の噴火のみであり、形成された火山岩が大磺嘴(硫黄谷)にまばらに分布しました。その後およそ170万年の沈黙を経て、再び80万年前に噴火し、この時期の噴火活動は規模が非常に大きいもので、すべての火山が70~50万年の間に集中して活動しました。またすべての火山がこの時期に形成されており、時代を経るにつれて火山活動の規模も徐々に小さくなって、およそ20万年前に火山活動の歴史に完全に幕を下ろしました。